ICRPでは基本限度として、実効線量限度と等価線量限度を定めています。基本限度は放射線防護基準を与えるもの、すなわち安全基準を表すものです。しかし、各臓器の等価線量を放射線測定器で測定することは不可能ですし、実効線量も身体各臓器の等価線量の組織荷重係数による荷重和ですので、これも放射線管理の現場で実際に測定することは不可能です。

 このため、管理の現場で測定される値と比較が直接可能な量を補助限度として定めておくことは便利です。補助限度として、外部被ばくについては線量当量指標を、内部被ばくについては年摂取限度を定めています。線量当量指標は適切なファントム(生体等価組織からなる直径30cmの球)に放射線を照射した場合のある深さにおける線量を考えたもので、実効線量や等価線量と関連付けられるとともに、放射線測定器のレスポンスとも対応がとれた量です。年摂取限度は、預託線量が年限度(20mSv)となるような年間の摂取量を表し、Annual Limit of Intakeの頭文字をとってALIと省略した形がよく用いられています。  


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