細胞の機能

 細胞の機能は一般に高線量で抑制され、低線量で活性化される。このことは免疫系のNK(ナチュラルキラー細胞)活性やADCC(抗原依存性細胞傷害)活性でよく見られる[4]。その他重要な免疫活性としてサイトカインの合成と分泌がある。胸腺(奇数番号)と脾臓(偶数番号)でのIL-2,IL-4,IL-6,IL-10,IL-12p35,TNF-β,IFN-γの発現を図2Dに示した。全身照射後2時間での変動では胸腺のIFN-γと脾臓のIL-6とIL-12p35がもっとも大きい。高線量と低線量での発現の経時的変動ではIL-12p35とIL-10の違いが顕著である(図3)。脾臓では逆の発現レベルを示している。これらは低線量放射線照射の免疫に対する促進的な効果によるものと考えられる[5]。IFN-γの分泌でその線量-作用曲線は図4に示した。

図3 低線量または高線量X線全身照射による脾臓でのIL-12p35とIL-10の転写

 

図4 全身照射後の脾臓細胞からのインターフェロンγの分泌の線量応答曲線

    

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